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公開日: 2024.4.6

最終更新日: 2024.4.21

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品質管理システムとは?おすすめ製品や選び方、導入・活用のポイント

製造業において、品質管理は製品やサービスの品質を維持・向上させるための重要な取り組みです。しかし、品質管理の概念や手法は多岐にわたり、自社に最適なシステムを選択し、導入・活用していくことは容易ではありません。

この記事では、品質管理システムの基本的な概念から、製造業向けのおすすめシステム、選定の際の重要なポイント、導入・活用のコツまで、わかりやすく解説します。

品質管理システムは、品質データの収集・分析、帳票のデジタル化、品質不具合への迅速な対応など、品質管理業務の効率化と高度化を実現するためのツールです。Excelや紙の帳票での管理では限界がある中、品質管理システムの導入は製造業のDXを進める上で不可欠な取り組みと言えます

とはいえ、品質管理システムの種類は多岐にわたり、自社の業務に適したシステムを選ぶのは難しいものです。この記事では、選定の際のポイントを紹介した上で、Smart Craftをはじめとする製造業向けのおすすめ製品を紹介します。品質管理システムの導入・運用のポイントについても触れていますので、品質管理のDXを進める上での指針としてご活用ください。

また、弊社では製造業の品質管理DXを支援するクラウドサービス「Smart Craft」を提供しています。詳しくは資料で紹介しています。

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目次

品質管理システムとは?

品質管理システムとは、品質管理業務をデジタル化し、品質データの収集・蓄積・分析を一元的に行うためのシステムです。英語ではQuality Management Systemと表記し、「QMS」と略されることもあります。 具体的には、以下のような機能を備えているものが多いです。

  • 各種検査装置から検査データや製造条件などの品質データの収集と蓄積
  • 収集したデータの統計的分析と可視化
  • 品質基準の設定と管理
  • 不適合品の検出と原因分析
  • 品質検査報告書の生成

品質管理システムは、品質管理業務のPDCAサイクルを回す上で欠かせないツールと言えます。

品質管理にシステムが必要な理由

では、なぜ品質管理にシステムが必要なのでしょうか。その理由は大きく以下の3つが挙げられます。

①品質データの一元管理

製造現場では日々膨大な品質データが生み出されますが、それらを紙の帳票や個人のPCで管理していては、データの散逸や重複が発生しがちです。品質管理システムを使えば、品質データを一箇所に集約し、必要な情報にいつでもアクセスできる状態を維持できます。

Smart Craft(スマートクラフト)は、そのようなデータ活用を支援する製造現場に特化したクラウドサービスです。Smart Craftでは、使用した部品のロットをバーコードで登録し、製品不備発生時にロットの履歴を追跡して原因を特定できます。また、タブレットやスマートフォンを使用して簡単に実績を登録し、カメラで不良品の画像を記録できるため、不良の状況をリアルタイムで把握することが可能です。​⇒「Smart Craft」について詳しく見る

②品質管理業務の効率化

品質データの入力や集計、分析には膨大な工数がかかります。品質管理システムを活用すれば、これらの作業を自動化し、品質管理担当者の工数を大幅に削減できます。浮いた時間を品質改善の施策立案などの高付加価値な業務に充てられるようになります。

③品質改善サイクルの加速

品質管理システムを使えば、品質データの可視化や統計的分析が容易になり、品質課題の発見と原因追究のスピードが上がります。また、過去の品質データとの比較も容易になり、品質のトレンド分析や予兆管理にも活用できます。こうした取り組みを通じて、品質改善のPDCAサイクルを素早く回すことが可能になります。

このように、品質管理システムは、品質管理に関わる様々な情報を一元管理し、品質管理業務の効率化と高度化を推進するためのシステムです。製造業のDXを進める上で、品質管理システムの導入は欠かせない取り組みの一つと言えるでしょう。

関連記事:
品質管理とは?知っておくべき基礎知識や手法、業務内容を徹底解説

品質管理システムの種類と選び方

市販の品質管理システムの種類と比較

品質管理システムには、大きく分けて市販のパッケージシステムと、自社で開発するオーダーメイドシステムの2種類があります。まずは、市販の品質管理システムについて見ていきましょう。

市販の品質管理システムは、業種や業務の特性に合わせて様々な製品が用意されています。これらの製品は、各業界の品質管理の特性を踏まえて設計されているため、自社の業務にマッチしたシステムを選ぶことが重要です。

また、市販の品質管理システムは、導入実績や機能の豊富さ、ベンダーのサポート体制などに差があります。自社に最適なシステムを選ぶためには、複数の製品を比較検討し、実際にデモ説明を受けるなどして、慎重に評価することが求められます。

市販の品質管理システムは、初期投資が少なく、短期間で導入できるメリットがある一方、自社の業務に完全にフィットしたシステムを構築しづらいというデメリットもあります。自社の品質管理業務の特性を見極め、最適なシステムを選ぶことが肝要です。

自社開発の品質管理システムのメリットとデメリット

市販のパッケージシステムに対して、自社の業務に合わせてゼロから開発するのが、オーダーメイドの品質管理システムです。自社開発のメリットは、以下の点が挙げられます。

メリット①自社の業務にピッタリと合ったシステムが作れる

自社開発なら、自社の品質管理業務の流れや規則、使用帳票などに完全に合わせたシステムを構築できます。業務の効率化や品質管理のレベルアップに直結しやすいと言えるでしょう。

メリット②他社には真似できない独自の機能を盛り込める

自社開発なら、他社の品質管理では実現していない独自の機能を盛り込むことができます。それが自社の品質管理における強みになる可能性があります。

メリット③システムの拡張や変更がしやすい

自社開発のシステムは、自社の IT 部門が内部仕様を理解しているため、将来的なシステムの拡張や変更がしやすいというメリットがあります。

その一方で、自社開発にはデメリットもあります。

デメリット①開発に時間とコストがかかる

一からシステムを開発するには、市販のパッケージシステムを導入するよりも多くの時間とコストがかかります。品質管理システムの開発経験が社内になければ、特に負担が大きくなる可能性があります。

デメリット②システムの保守・運用の負荷が大きい

自社開発のシステムは、保守・運用の責任も自社で担うことになります。システムトラブルが発生した際の対応など、IT部門の負荷が大きくなることを覚悟しなければなりません。

デメリット③ノウハウの蓄積が難しい

品質管理システムの開発・運用ノウハウは、社内に蓄積されにくいというデメリットもあります。担当者の異動などがあった場合、ノウハウの引継ぎが難しくなる可能性があります。

自社開発は、自社の業務に合った理想的なシステムを構築できるメリットがある反面、コストと時間、社内リソースの確保が課題となります。自社の体制とリソースを見極めた上で、導入の是非を判断する必要があるでしょう。

品質管理システム選定の際の重要なポイント

では、品質管理システムを選定する際には、どのような点に注意すべきでしょうか。ここでは、選定の際の重要なポイントを5つ挙げておきます。

①自社の品質管理業務に適合するか

選定する品質管理システムが、自社の品質管理業務の流れや規則、使用帳票などに適合しているかを確認することが大切です。業務への適合性が低ければ、システム導入の効果は限定的なものになってしまいます。

②拡張性と柔軟性があるか

製造ラインの変更や新製品の投入など、将来的に品質管理業務が変化する可能性を考慮し、システムの拡張性と柔軟性を評価しましょう。業務変化に合わせてシステムを柔軟に変更できるかどうかは、長期的な視点で重要なポイントとなります。

③導入実績と利用企業の評判

導入を検討するシステムの導入実績と、利用企業の評判を確認することも大切です。同業他社での導入事例があれば、実際の効果や使い勝手を聞くことができるでしょう。複数の利用企業から話を聞いて、総合的に判断することをおすすめします。

④ベンダーのサポート体制

品質管理システムは、導入後も継続的なサポートが必要になります。ベンダーのサポート体制が充実しているかどうかは、重要なチェックポイントです。トラブル時の対応や、システムのバージョンアップ対応など、長期的なサポート体制を事前に確認しましょう。

⑤コストパフォーマンス

品質管理システムの導入・運用にはコストがかかります。初期導入コストだけでなく、保守費用やランニングコストも含めて、トータルなコストを見積もることが大切です。その上で、期待される効果とのバランスを考え、コストパフォーマンスを評価しましょう。

品質管理システムの選定は、自社の品質管理業務の現状と課題を正しく把握した上で、長期的な視点で行うことが求められます。自社に最適なシステムを選ぶためには、十分な情報収集と検討が不可欠だと言えるでしょう。

製造業向けおすすめの品質管理システム10選

製造業の品質管理を効果的に進めるには、品質管理システムの導入が欠かせません。ここではおすすめの品質管理システムをご紹介します。

Smart Craft

(出所:Smart Craft公式Webサイト)

Smart Craft(スマートクラフト)は、製造業の品質管理DXを支援するクラウドサービスです。品質記録などの帳票のデジタル化によるペーパレス化、リアルタイムでの人、物、設備に関するデータの可視化など、品質管理のデジタル化を多角的に支援します。

例えば、Smart Craftなら、使用した部品のロットをバーコードで登録し、製品不具合発生時にロットの履歴を追跡して原因を特定できます。また、タブレットやスマートフォンで簡単に品質データを登録でき、リアルタイムで品質状況を把握できます。異常値が入力された場合に作業者に即座に通知することも可能です。さらに、Smart Craftは初期費用を抑えて部分導入ができるため、スモールスタートで品質管理のDXを始められます。

・料金:要問い合わせ

詳しくは資料で紹介しています。⇒資料のダウンロードはこちら

QC-One

QC-One公式Webサイト

(出所:QC-One公式Webサイト)

QC-Oneは、製造業の品質管理DXをサポートする品質管理システムです。検査データの一元管理、様々な検査装置からのデータの取り込みと解析、自動作図、改ざん防止をしながらのデータ管理など、品質管理に必要な機能を網羅しています。

QC-Oneの大きな特長は、オンプレミス版とクラウド版の2つの選択肢を提供している点です。オンプレミス版の「QC-One」は、各種検査装置や外部システムとの連携が必要な場合に適しています。一方、クラウド版の「QC-One Lite」は、検査結果入力機能や承認機能をリーズナブルに導入できるため、ニーズに合わせた導入ができます。

・料金:要問い合わせ

HYPERSOL QMS 品質管理システム

HYPERSOL QMS 品質管理システム

(出所:HYPERSOL QMS 品質管理システム公式Webサイト)

三菱電機ITソリューションズ株式会社が開発・提供するHYPERSOL QMS 品質管理システムは、製造業の統計的品質管理をExcelから移行できるトータルシステムです。生産管理システムなどの上位システムと連携した検査指示の自動化や、検査結果のCSVファイル取り込みにより、検査業務の省力化を実現。堅牢なセキュリティ管理とデータ保全機能により、品質管理体制の強化も図れます。

QC7つ道具のテンプレートを標準装備し、導入直後から品質管理に必要不可欠な「パレート図」「ヒストグラム」「散布図」「管理図」などを活用できます。メーカー・取引先ごとに個別対応が必要な検査報告書も、レイアウト機能で柔軟に作成可能。手書き検査報告書からの画面入力や、生産設備・検査機器からのCSVファイルインポートなど、多彩なデータ入力ソースに対応し、現場の品質データを漏れなく収集・一元管理できます。

・料金:要問い合わせ

NAVINECTエッジ・「品質管理」パッケージ

NAVINECTエッジ・「品質管理」パッケージ

(出所:NAVINECTエッジ・「品質管理」パッケージ公式Webサイト)

TOPPANホールディングス株式会社が開発・提供するNAVINECTエッジ・「品質管理」パッケージは、製造現場の品質管理レベル向上と異常時の迅速対応を実現する、SPC(統計的工程管理)とトレーサビリティを組み合わせたパッケージです。製品規格の設定から異常傾向の自動検知、処置結果管理までのワークフローを網羅。個体トレーサビリティにより、異常発生時の波及範囲と要因調査を高速化します。ワークフローのデジタル化で監査証跡を確保し、データインテグリティも担保。品質管理と生産性向上の両立を支援するソリューションです。

・料金:要問い合わせ

Ez-Collect

Ez-Collect

(出所:Ez-Collect 公式Webサイト)

Ez-Collectは、製造業における作業実績と検査実績を収集・データ化する連携型システムです。現場作業者が手書きしていた作業内容をタッチパネルで登録することで、データのバラつきがなくなり、作業者の負担も軽減。作業指示書や検査成績書といった帳票のExcel出力により、手書きデータの転記作業や紙の書類管理も削減できます。作業実績登録のみ、検査業務のみなど、必要な機能に限定してスモールスタートできるのも特長。生産管理システムや生産スケジューラとのCSV連携で、進捗管理、検査管理、予実管理など、データ活用による効率化と生産性向上も実現します。

・料金:要問い合わせ

TIBCO Spotfire®

TIBCO Spotfire®

(出所:TIBCO Spotfire® 公式Webサイト)

NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューション株式会社が開発・提供するTIBCO Spotfire®は、データ分析の一連のプロセスをトータルでカバーするビジュアルアナリティクスツールです。AIを活用したレコメンドされたビジュアライゼーションにより、迅速なインサイト獲得を実現。過去のデータとストリーミングデータを組み合わせ、トレンドを予測します。没入感のあるダッシュボードや高度な分析機能で、データに潜む新たな発見を可視化。予測分析、位置情報分析、ストリーミング分析を実行し、ビジネスや規模に合わせた分析アプリケーションを迅速に構築できます。製品テンプレートやソリューションサンプルを活用し、短期間での本番環境移行も可能。製造業のデータ活用とDXを加速するソリューションです。

・料金:要問い合わせ

統計解析パッケージ〈JUSE-StatWorks〉シリーズ

統計解析パッケージ〈JUSE-StatWorks〉シリーズ

(出所:統計解析業務パッケージ JUSE-StatWorks/V5 公式Webサイト)

統計解析パッケージ〈JUSE-StatWorks〉シリーズは、QC7つ道具、実験計画法、多変量解析、品質工学、信頼性解析など、100種類以上の手法を搭載した統計解析業務パッケージです。企画・調査、設計・開発、製造・工程管理、検査、市場サポートまでをトータルにカバーし、IATF16949:2016やJIS Z 9021など各業界のグローバル規格にも対応。リボンメニューや分かりやすい画面構成など使いやすさを追求した画面レイアウトを採用し、グラフィック機能の充実やワークシートの改良により、分析結果の報告書作成が容易になっています。また、各種解析手法の習得をサポートするオフィシャルテキストブックや操作セミナーも提供。製造業の品質管理・設計開発のDXを推進する統計解析ソリューションです。

・料金:45,000円〜(スタンドアロン版「JUSE-StatWorks/V5 品質工学編」の場合)

Lab-Aid

Lab-Aid

(出所:Lab-Aid 公式Webサイト)

Lab-Aidは、製造業や受託分析業の品質管理・分析業務を支援するLIMS(Laboratory Information Management System)ソリューションです。試験計画・依頼から成績書発行、出荷判定までの検査工程のワークフローを実装し、試験データの自動収集、計算の自動化、規格の自動判定、帳票の自動作成により業務の効率化と品質向上を実現。400種類以上の分析計とのオンライン接続により、データの信頼性を確保。ERPや生産管理システム、MESとの連携で、品質判定結果を在庫データに迅速に反映。品質保証レベルの向上と顧客・社内利用者へのサービス向上を支援するソリューションです。

・料金:要問い合わせ

ASPLAN II

品質管理システム ASPLAN II

(出所:https://www.ipros.jp/product/detail/2000029341/)

品質管理システム ASPLAN II(株式会社富士データシステム)は、アスファルトプラントの品質管理業務を包括的にサポートするシステムです。配合設計システムとの連動により、品質管理設計値の入力を自動化。日々の試験データを入力するだけで、集計表・管理図・ヒストグラムなどを自動生成します。

また、豊富な印刷書式を用意し、様々な提出先の要件に柔軟に対応可能。アスファルトプラントに特化した機能を備えているため、現場の品質管理業務にシームレスに組み込めます。

ASPLAN IIは、試験結果を統計的に処理し、信頼性の高い品質管理を実現。アスファルト合材プラントの試験室に最適なシステムとして、400工場以上の導入実績を誇ります。

・料金:要問い合わせ

Mr.Manmos Sora

(出所:Mr.Manmos Sora公式サイト

Mr.Manmos Sora(株式会社アサカ理研)は、製造業の検査業務に特化したデータ管理ソフトです。測定データの自動取り込み、検査表出力、改ざん防止、データ活用など、検査業務に必要な機能を網羅。手書き作業を減らし、ヒューマンエラーを排除することで、品質管理の精度向上と効率化を実現しています。

測定器からのデータを直接パソコンに取り込み、瞬時に合否判定。手書き記入ミスや計測ミスを防ぎ、工数削減にも貢献します。お客様のニーズや現場の使用状況に合わせて最適なプランを提案し、セットアップの方法も丁寧にレクチャー。数百以上の製造現場での実績・経験を活かし、各社のニーズに合った柔軟なカスタマイズにも対応しています。

・料金:要問い合わせ

製造業のDXが進む中、品質管理のデジタル化は急務の課題です。自社の課題やニーズに合った品質管理システムを選択し、品質管理の高度化を図っていくことが重要です。

品質管理システムの導入・活用におけるポイント

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品質管理システムの選定にあたっては、選定後の導入・活用イメージも持っておけると、より納得のいく意思決定を行うことができます。ここでは、品質管理システムの導入・活用におけるポイントについて確認しておきましょう。

品質管理システムの導入

品質管理システムを導入する際は、入念な準備が不可欠です。まず、プロジェクトを推進するチームを編成し、品質管理部門、生産部門、IT部門から適任者を集めて役割分担を明確にします。次に、現状の品質管理業務の流れと課題を正しく把握するため、品質管理の対象となる製品や工程、手順、使用帳票などを詳しく調査し、業務フローを可視化した上で、改善点を整理します。

その上で、品質管理システムに求める要件を明確化します。システム化する業務範囲、必要な機能、他システムとの連携、ユーザー、セキュリティレベルなどを関係者間で十分に議論し、合意形成することが重要です。また、導入目的と目標を具体的に設定し、数値化することで、システム導入の効果測定がしやすくなります。

最後に、品質管理システムの導入計画を策定します。導入スケジュール、予算、体制などを具体的に落とし込み、無理のないスケジュールを立てて必要なリソースを確保します。システム導入による業務変更の影響も考慮し、ユーザー教育の計画も盛り込むことが肝要です。

品質管理システムの運用・活用

品質管理システムの運用と活用は、システム導入の成否を左右する重要な要素です。

まず、運用体制づくりが肝要です。明確な運用ルールを策定し、役割と責任を明確にすること。そして、運用プロセスを確立し、PDCAサイクルを回しながら継続的に改善していくことが求められます。

次に、品質データの収集と入力。自動化や正確性の追求、リアルタイム性や標準化など、高品質なデータを確保するための工夫が必要不可欠です。

品質管理システムの重要な活用法の一つが不適合品の管理です。具体的には、迅速な検知、原因究明、隔離・処置、再発防止策の立案と実行です。システムを活用した一連のプロセスの最適化が求められます。

もう一つの重要な活用法が工程能力の分析と改善です。具体的には、工程能力指数の算出、可視化、工程条件の最適化、そして継続的な改善活動です。システムを活用した科学的なアプローチが品質向上の鍵を握ります。

さらに、品質監査への活用も見逃せません。監査の効率化、客観的エビデンスの提供、指摘事項の管理、監査結果の分析と改善です。システムを活用することで、品質監査をより実効性のあるものにできます。

品質管理システムの運用と活用は、品質管理の成功に直結する重要なプロセスです。システムを単なるツールとしてではなく、品質管理の強力な武器として活用していく。それが、品質管理のデジタルトランスフォーメーション(DX)を進める上での鍵となるでしょう。

クラウド化・モバイル化による品質管理システムの新たな可能性

近年、ITシステムのクラウド化とモバイル化が急速に進んでいます。品質管理システムにおいても、この流れは例外ではありません。ここでは、品質管理システムのクラウド化とモバイル化の動向を見ていきましょう。

コストをおさえた導入が可能に

品質管理システムをクラウド化することで、様々な利点が得られます。まず、システムの導入と運用にかかるコストを大幅に削減できます。クラウドなら、ハードウェアの購入や維持が不要だからです。また、クラウドならではの拡張性と柔軟性も大きな利点。製造規模の拡大や変更にも、スピーディに対応できます。

離れていてもリアルタイムな状況確認が可能に

品質管理システムのモバイル化も、大きな利点があります。スマートフォンやタブレットを使って、いつでもどこでも品質データにアクセスできるようになります。製造現場でのリアルタイムデータ入力や、出先での品質情報の確認が可能になります。また、モバイルデバイスを使った品質検査も実現できるでしょう。

クラウドとモバイルの融合が、品質管理の生産性向上をさらに後押し

品質管理システムの真の力を引き出すためには、クラウドとモバイルの融合が鍵となります。クラウド上の品質管理システムとモバイルデバイスをシームレスに連携させることで、より柔軟で効率的な品質管理が可能になるのです。例えば、現場で収集した品質データをクラウドに即座にアップロードし分析。その結果をモバイルデバイスで確認し、現場にフィードバックする。そんな品質管理の流れが実現するかもしれません。

品質管理システムのクラウド化とモバイル化は、もはや避けられない大きな潮流です。この流れを積極的に取り入れ、品質管理のデジタルトランスフォーメーション(DX)を加速させていくことが求められます。

まとめ

品質管理システムは、製造業の品質管理を大きく変革する力を秘めています。デジタル技術を駆使することで、品質管理の効率化と高度化を同時に実現。品質と生産性の両面で、大きな効果が期待できます。

しかし、品質管理システムの導入は、それ自体が目的ではありません。あくまでも、品質管理の改善と企業競争力の強化が目的。そのためには、品質管理システムを戦略的に活用していくことが肝要です。

そこで注目したいのが、製造業の品質管理DXを支援するクラウドサービス「Smart Craftです。Smart Craftは、品質記録などの帳票のデジタル化によるペーパレス化、リアルタイムでの人、物、設備に関するデータの可視化など、品質管理のデジタル化を多角的に支援します。

例えば、Smart Craftなら、使用した部品のロットをバーコードで登録し、製品不具合発生時にロットの履歴を追跡して原因を特定できます。また、タブレットやスマートフォンで簡単に品質データを登録でき、リアルタイムで品質状況を把握できます。異常値が入力された場合に作業者に即座に通知することも可能です。

さらに、Smart Craftは初期費用を抑えて部分導入ができるため、スモールスタートで品質管理のDXを始められます。品質管理の高度化と業務効率化を同時に実現し、競争力の強化につなげることができるでしょう。

デジタル化の波は品質管理の分野にも確実に訪れています。この波をチャンスととらえ、品質管理のDXを進めていくことが、これからの製造現場には求められます。Smart Craftとともに、製造業における品質管理業務を改善していきましょう。

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