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公開日: 2024.6.5

最終更新日: 2024.6.9

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品質保証と品質管理の違いとは?仕事内容、連携のポイント

製造業にとって、高品質な製品を安定して供給し続けることは、競争力を維持し顧客満足度を高めるための重要な要素です。しかし、品質管理と品質保証の違いを正しく理解し、両者を効果的に連携させることは、意外と難しいものです。

この記事では、品質管理と品質保証の違いを明確にし、それぞれの目的や重要性を解説します。また、品質管理と品質保証の連携のポイントや、製造業が品質向上のために取り組むべき施策についても触れます。

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品質とは

品質とは、製品やサービスが顧客のニーズや期待にどれだけ応えているかを表す言葉です。ただし、品質の捉え方は顧客によって異なります。ある顧客にとっては性能や機能が重要な品質の基準になるかもしれませんが、別の顧客にとっては価格や納期が品質の重要な判断材料になることもあります。

つまり、品質は顧客満足度と密接に関連しており、顧客のニーズや期待に的確に応えられるかどうかが製品やサービスの品質を左右すると言えます。したがって、製造業は自社の製品やサービスに対する顧客ニーズを正確に把握し、それを満たすための品質管理と品質保証の活動を展開していく必要があります。

しかし、顧客ニーズは多様化・個別化が進んでおり、画一的な品質管理・品質保証では対応が難しくなっています。顧客ニーズを的確に把握し、柔軟に対応できる能力が、製造業に求められていると言えるでしょう。

品質管理(QC)とは

品質管理(Quality Control)は、製品やサービスの品質を一定の水準に保ち、顧客満足を向上させるための活動の総称です。具体的には、品質方針の策定、品質目標の設定、品質保証活動、品質改善活動などが含まれます。

品質管理の目的は、不良品の発生を未然に防ぎ、決められた品質基準を満たす製品を安定的に生産することです。そのため、品質管理では、製造工程に潜む品質リスクを特定し、それを低減・排除するための施策を講じます。

また、品質管理では、品質に関するデータを収集・分析し、それを改善活動に活用することが重要です。QC7つ道具と呼ばれる分析ツールを活用することで、品質データから問題点を見出し、改善につなげることができます。

品質管理を適切に実践することで、不良品の発生を抑え、品質の安定化と向上を図ることができます。また、品質管理の取り組みを通じて、品質に対する従業員の意識を高め、品質改善の文化を醸成することにもつながります。

▼詳しくはこちらの記事でも紹介しています
品質管理とは?知っておくべき基礎知識や手法、業務内容を徹底解説

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品質保証(QA)とは

品質保証(QA)とは、顧客に提供する製品やサービスの品質を保証するための活動です。品質管理が製造プロセスに焦点を当てるのに対し、品質保証は製品やサービスの設計から販売、アフターサービスまでを対象とする、より広範な活動です。

品質保証の主な業務には以下があります。

  • 製品の設計段階での品質作り込み
  • 品質基準の設定と管理
  • 品質監査の実施
  • 顧客クレームへの対応とフィードバック
  • 品質データの分析と予防措置の立案

品質保証の目的は、顧客に満足してもらえる品質の製品やサービスを提供し続けることです。そのため、品質保証では顧客の要求事項を的確に把握し、それを製品やサービスの設計に反映させます。また、品質基準を設定し、それに基づいて品質監査を実施することで、品質の維持・向上を図ります。

最近では品質保証の考え方が変化しつつあります。従来は製品の最終検査に重点が置かれていましたが、現在では設計段階での品質作り込みがより重視されています。品質を最終検査で確認するのではなく、設計段階から品質を作り込むことで、より効果的に品質を確保できるという考え方に基づいています。

品質保証を適切に実践することで、顧客満足度とブランドイメージの向上を図ることができます。また、品質問題の予防と早期発見・対応が可能になり、品質コストの削減にもつながります。

関連記事:
品質保証とは?品質管理との違いと具体的な業務内容を解説

品質管理と品質保証の違い

品質管理と品質保証は、どちらも品質の確保と向上を目指す活動ですが、その役割と対象範囲には違いがあります。

品質管理は、主に製造部門が担当し、製造プロセスに焦点を当てています。目的は、決められた品質基準を満たす製品を安定して作り、不良品の発生を防ぐことです。

一方、品質保証は、設計から販売、アフターサービスまでのすべての段階を対象とし、主に品質保証部門が行います。目的は、顧客に満足してもらえる品質の製品やサービスを提供し続けることで、顧客の要求事項を正確に把握し、それに基づいて品質を作り込むことです。

また、品質管理が製造現場の「作り手の視点」に立つのに対し、品質保証は顧客の「買い手の視点」に立つという違いもあります。

ただし、品質管理と品質保証は別々に行われるべきものではありません。両者が連携し、情報を共有しながら、一体となって品質の確保と向上に取り組むことが重要です。品質保証で得られた顧客の声を品質管理にフィードバックすることで、より効果的な品質改善が実現します。

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製造業の品質向上のためのポイント

製造業が品質の向上を図るためには、品質管理と品質保証の両輪を効果的に回していく必要があります。そのためのポイントは以下の通りです。

①品質データの見える化と活用

品質改善を進めるには、品質に関するデータを適切に収集・分析し、改善活動に活用することが不可欠です。品質データを「見える化」し、現場の改善活動に役立てることで、品質改善の PDCAサイクルを効果的に回すことができます。

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②全社的な品質管理・品質保証体制の構築

品質は特定の部門だけの課題ではありません。開発、調達、製造、販売、アフターサービスなど、バリューチェーン全体で品質の確保と向上に取り組む必要があります。そのためには、品質方針を明確にし、全社的な品質管理・品質保証体制を構築することが重要です。

③PDCAサイクルによる継続的改善

品質改善は一時的な取り組みではなく、継続的に行うことが重要です。PDCA(Plan-Do-Check-Act)サイクルを回し、改善活動を継続的に実施することで、品質の維持・向上を図ることができます。

④TQMやカイゼンなどの品質マネジメント手法の導入

TQM(Total Quality Management)やカイゼン(継続的改善)など、品質マネジメントの手法を導入することで、品質改善活動をより体系的・効果的に進めることができます。自社の課題や文化に合わせて、適切な手法を選択し、実践することが重要です。

まとめ

製造業において、品質管理と品質保証は、高品質な製品を安定的に供給し、顧客満足を高めるための重要な活動です。両者の違いを正しく理解し、連携を図りながら、品質の確保と向上に取り組むことが求められます。

品質向上のためには、全社的な品質管理・品質保証体制の構築、品質データの見える化と活用、PDCAサイクルによる継続的改善、品質マネジメント手法の導入、デジタル技術の活用など、様々な施策を講じる必要があります。

品質は製造業の競争力の源泉であり、品質管理と品質保証の効果的な実践は、企業の持続的な成長と発展に不可欠です。この記事を参考に、自社の品質管理・品質保証活動の改善と高度化に取り組んでいただければ幸いです。

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