ブログ

公開日: 2023.11.30

最終更新日: 2024.2.12

ナレッジ

製造業におけるトレーサビリティとは?重要視される理由や技術、事例を解説

近年の製造業では、品質管理やサプライチェーンの透明性を高めるための取り組みとして「トレーサビリティ」の重要性が高まっています。

しかし、「トレーサビリティのための具体的な取り組み方がわからない」という悩みを抱える方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、製造業において品質向上のためのトレーサビリティを実現するためのポイント、取り組みや施策、品質向上のために利用できる最新技術やシステムなどについて紹介します

製造業においてトレーサビリティを実現した事例も紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。

製造業で注目されるトレーサビリティとは

製造業におけるトレーサビリティは、製品の品質向上やリスク管理の観点から重要な取り組みです。ここでは、トレーサビリティの基本と、製造プロセスの効率化に重要な「チェーントレーサビリティ」と「内部トレーサビリティ」の役割を解説します。

そもそもトレーサビリティとは

トレーサビリティとは、特定のモノ(製品など)が生産されてから消費されるまでを追跡・把握できる状態にすることです。製品の原材料調達から製造、流通、最終的な販売に至るまでの各段階において、仕入れ先や製造者の詳細を正確に記録することにより実現されます。トレーサビリティの導入により、「品質管理の向上」「リスク管理の強化」といったメリットが得られます。

トレーサビリティの仕組み・システムの基本構造など、トレーサビリティの詳細についてはこちらの記事をご覧ください。

関連記事
トレーサビリティとは?メリットや課題、製造・食品業界事例もわかりやすく紹介

製造業のトレーサビリティの種類:チェーントレーサビリティと内部トレーサビリティ

製造業におけるトレーサビリティは、主に「チェーントレーサビリティ」と「内部トレーサビリティ」の二つのカテゴリに分類されます。「チェーントレーサビリティ」は多くの関係者を対象とし、「内部トレーサビリティ」は特定の施設や企業内を対象とすることが多いです。

チェーントレーサビリティ

チェーントレーサビリティは、サプライチェーンを通じて製品、部品、原材料の流れを追跡します。

【製造業における機能や役割】
・サプライチェーン全体の透明性と効率性を向上させることにより、リスク管理、コンプライアンスの強化、品質保証が可能になります。
・万が一、製品リコールや品質問題が発生した際に、原因の特定と問題解決が迅速に行えます。
・製品の出所を明確にすることで、消費者との信頼を築き、ブランド価値を高めます。

内部トレーサビリティ

内部トレーサビリティは、一つの企業、または一つの製造施設内での製品や部品、原材料の流れを追跡します。

【製造業における機能や役割】
・製造プロセス内での品質管理と効率性の向上が実現可能です。例えば、不良品の発生源を特定し、改善策を迅速に実施することができます。
・生産工程のボトルネックを特定し、プロセスの最適化を図ることにより、コスト削減と生産性の向上が可能になります。
・サプライチェーン全体の視点を持ちながらも、特定の製造工程に特化することで、より効果的な品質向上策を講じることができます。

製造業でトレーサビリティが重要視される理由

製造業では、様々な業界の中でも品質管理・業務効率化においてトレーサビリティの重要性が高いです。ここでは製造業におけるトレーサビリティの重要性について紹介します。

①品質管理の向上

製造業でトレーサビリティが重要視される理由の1つ目は、記録の正確性のアップによる品質管理の向上です。

例えば不具合や品質問題が発生した際は速やかな対応が求められますが、そのような場合でも、特定のロットを素早く特定し、効率的な製品回収や修正がしやすくなります

また、品質クレームが起きた場合、過去の帳票やデータを手動で遡る手間が省けます。そして、リモートでの設備監視が可能になるため、緊急時の迅速な対応とダウンタイムの削減にもつながります。

Smart Craft」のロットトレース機能は、トレーサビリティのデータと製造実績や品質記録が密接に紐づけることができます。この機能を用いることで、製造過程での各部品の使用状況や作業の詳細がデジタルデータとして正確に記録され、これらの情報が製造実績や品質記録と直接リンクし、製品の全生産過程を透明かつ正確に追跡できるようになります。

製造現場DXプラットフォーム「Smart Craft」のロットトレース機能

②歩留まり向上と不良品の流出防止

製造業でトレーサビリティが重要視される理由の2つ目は、歩留まりの向上と不良品の流出防止です。

製造工程で発生した不良品や欠陥は、付与された識別番号を追跡することで、問題の発生源を特定できます。この早期発見と問題解決により、不良品や欠陥品の流出を防ぎ、歩留まりの向上につながります。

また、各工程の記録が蓄積されることで、ボトルネックや問題を抱える工程の特定が容易になり、改善によって歩留まり率の向上を目指せます。さらに、製品不良の責任所在が明確になることで、現場の品質意識が高まり、全体の品質管理が向上します。

③顧客からの信頼獲得とブランドイメージの向上

製造業でトレーサビリティが重要視される理由の3つ目は、顧客からの信頼獲得とブランドイメージの向上です。

まず、トレーサビリティシステムを導入・活用することで、製品のサプライチェーン全体を顧客に対して提示にすることが可能になります。これにより情報の透明性が担保され、製品の安全性や品質に対する顧客からの信頼を高めることにつながります。

顧客に対してリアルタイムで製品情報を提供することも、信頼関係構築とブランドイメージ向上の理由の1つです。

(出典:経済産業省「令和3年度 内外一体の経済成長戦略構築にかかる国際経済調査事業」

製造業におけるトレーサビリティを実現する技術

現代の製造業において、トレーサビリティの効率と精度を大幅に向上させる重要な技術が、情報通信技術(ICT)の進化によってもたらされています。ここでは、ブロックチェーン、データセキュリティ、IoTデバイスといった、製造業におけるトレーサビリティを実現する技術を中心に解説します。

ブロックチェーン

ブロックチェーン技術はデータの透明性とセキュリティを高め、製品の製造から配送に至るまでの詳細な履歴を、改ざん困難な形で記録します。特に食品産業では、ブロックチェーンを利用して産地情報や製造過程を記録し、消費者はこれらの情報を簡単にアクセスして確認できます。

この透明性は、企業の信頼性を高め、不正や誤情報のリスクを軽減します。さらに、ブロックチェーンは取引、在庫、財務情報の透明性を保ちつつ、信頼性の向上と効率的な配送を実現しています。

データセキュリティ

トレーサビリティシステムにおいて機密性の高いデータを扱う際、強固なセキュリティ対策は不可欠です。これには暗号化、二要素認証、内部ネットワークの隔離などの措置が含まれます。

製造業において、これらのセキュリティ対策は機密データを保護するための重要な投資であり、データ漏洩や不正アクセスによるリスクを軽減します。特に、機密性の高い設計図や製造工程のデータなどを守ることは、競争力を維持するためにも重要です。

IoTデバイス

IoTデバイスの活用により、製造業におけるデータ収集と分析がリアルタイムで行えるようになりました。センサーやカメラなどのデバイスは、製品の状態をリアルタイムで監視し、品質管理や効率化に大きく貢献します。

例えば、温度や湿度が製品の品質に影響を与える場合、IoTデバイスによる監視は品質の維持に不可欠です。これにより、製造業における生産性の向上、コスト削減、品質の維持が実現され、市場競争力の向上につながります。

これらの技術の組み合わせにより、製造業におけるトレーサビリティの実現が可能となり、品質管理、効率化、リスク軽減といった多面的なメリットが得られます。

製造業におけるトレーサビリティ管理方法

製造業におけるトレーサビリティ管理では、製品や部品に識別番号を付与することが一般的であり、バーコードや2次元コードが広く利用されています。これらのコードは各製造工程でスキャンされ、作業内容や検査結果、検査画像などの情報を記録し、後工程や品質管理で活用されます。

加えて、各工程でバーコードリーダーやRFID(無線周波数識別)技術を使用して識別番号を読み取り、情報を記録しています。RFIDの導入により、非接触で複数の情報を一度に迅速に読み取ることができ、オペレーションの効率化が進んでいます。これらの技術の組み合わせにより、製造業におけるトレーサビリティ管理は、より効率的かつ効果的になっています。

【製造業におけるトレーサビリティ管理方法例】

方法説明用途
バーコード・2次元コード製品や部品に印刷または貼付し、各工程でスキャンすることで情報追跡製品情報の追跡、品質保証
RFID(無線周波数識別)非接触型の情報収集方法で、RFIDタグを製品に取り付け、専用のリーダーで情報読み取り物流・在庫管理の迅速化
ERP(生産管理システム)製造から販売までのデータを一元管理するシステムデータの統合、透明性の向上
MES(製造実行システム)工程ごとに製品ロットや部材ロットなどを登録し、より詳細なロット/シリアル情報を一元管理リアルタイム追跡、迅速な対応
IoTデバイス活用製品や機械に取り付けられたセンサーからデータを活用し、生産工程監視環境データ監視、品質チェック

関連記事:
MES(製造実行システム)とは?必要性や機能、導入メリット、ERPとの違い
トレーサビリティを支える最新技術一覧 製造業における具体例交え解説

製造業におけるトレーサビリティの事例

製造業におけるトレーサビリティシステムの活用事例は様々な業界にありますが、ここでは製造現場DXプラットフォーム「Smart Craft」を導入・活用した事例をご紹介します。

事例1:検査データの統合管理

某医療機器メーカーは、生産ラインの現状把握とデータ収集が不十分であり、工場立ち上げ期に大規模投資が難しいという課題に直面していました。この問題を解決するために、初期投資が少なくリスクも低いSaaS型のシステム「Smart Craft」を導入しました。

導入後は、紙による記録作成の工数が削減され、製造業務に集中できるようになりました。また、製造現場の状態がリアルタイムで把握できるようになり、工程の見える化が進んだことで、現場への確認作業が大幅に減少しました。

事例2:デジタル記録の効果的活用

某上場自動車部品メーカーは、紙ベースの記録とその保管、データ利用の手間や、過去のDX化の試みで管理者の負担増で挫折したという課題を抱えていました。しかし、「Smart Craft」のシステム導入によって業務のデジタル化を実現し、データ活用が容易になりました。

実際に使用してみたところ、現場作業者と管理者双方にとって使いやすいシステムであることに驚きました。初めてタブレットを使用する際の抵抗があったものの、リアルタイムで情報が得られることで改善意識が高まり、生産が安定しました。さらに、データ蓄積により改善活動の現状把握と効果確認の工数が大幅に削減され、PDCAサイクルが早まる効果を実感しました。

製造現場の情報一元管理で「ものづくりDX」を​推進しましょう

この記事では、製造業におけるトレーサビリティの重要性、その具体的な実現方法、そして実際の事例について詳しく解説しました。製造ラインの現状把握やデータ収集の最適化、デジタル記録の効果的活用など、トレーサビリティが製造業に与える影響は計り知れません。これらの取り組みにより、製造業務の効率化、品質向上、リスク管理が大きく改善されています。

製造業における課題に対処するため、「Smart Craft」の製造現場DXプラットフォームは、製造業のDXを効果的にサポートします。Smart Craftは、生産現場の見える化、データ活用を促進し、生産性の向上を実現するためのクラウドサービスです。紙ベースの記録からデジタル化への移行、生産の実績記録、進捗確認のリアルタイム化など、Smart Craftは製造現場の課題を解決し、効率的な運営を可能にします。興味のある方は、ぜひSmart Craftのサービスサイトをご覧ください。

Smart Craftで製造現場のDXを
始めよう!

「Smart Craft」は、これひとつで工場内のすべての業務プロセスをデジタル化できます。

3分でわかるSmartCraft
  • Smart Craft でできること
  • 導入企業の活用事例
  • ご利用料金
  • 導入の流れ

カテゴリ

ナレッジ